ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2014.4.11 03:51

「嫌韓」排外主義はいつ終わる?


日本の自称保守たちは「嫌韓」ブームを歓迎している。

産経新聞の論調でも、自称保守のメディアでも、

日本社会の右傾化や排外主義に対する批判を一切しない。

むしろこれを読者に取りこむことを考えている。

 

「嫌韓」は売れる。商売になる。

わしも商売だけ考えるなら「嫌韓」を描いた方が得だろう。

だが絶対にそれはやらない。

差別や排外主義を煽って金儲けすることは「公」に反する。

『差別論』を描いた者として、倫理的に出来ない。

 

今週のSAPIOも華々しく嫌韓特集だ。

わしはもっと「嫌韓」を消費してくれとも思っている。

ブームになったものは消費し尽くさないと終わらない。

「韓流ブーム」のときもイライラしたが、今度は真逆に

振れて「嫌韓ブーム」だ。

真ん中に戻って来る日を待つしかない。

 

「嫌韓」が消費し終わった頃に、わしの『大東亜論』が

数巻出ていて、本物の保守の力を示すことが出来るだろう。

だがその時には、またわしが切り拓いた市場に誰も彼もが

乗り込んで来て、わがもの顔に乱獲しながら、捻じ曲げて

いくのだろう。

ずっとその繰り返しだ。

 

現在の日本社会は右傾化どころか、極右化している。

天皇なきナショナリズムは、公なきナショナリズムだから、

当然、極右化するのである。

日曜日の「ゴー宣道場」には、会場に左翼も右翼も潜入

するかもしれないが、「ゴー宣道場」は「運動」として

やっているのではない。

あくまでも思想し続ける場であることを、忘れないように。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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